震災から1年。この1年が早かったとか長かったとか申し上げるつもりは一切ありません。
なぜならば、今もまだ戦い続けてる方や苦しみ続けておられる方がたくさんいるから・・・
あの忌々しい原発事故について忘れる事も自分の中で風化する事も決してありませんが、
もう少し頭の中を整理したいと思い、この二冊を手にとりました。
1冊目はホットスポット ネットワークでつくる放射能汚染地図 ETV特集取材班 (著)
震災直後より大本営発表を繰り返し報じる日本のマスコミに少なからず失望を覚えたのは
私だけではないと思いますが、2011年5月15日に第一回が放映され、その後シリーズ化された
NHK ETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図(リンク先はNHKオンデマンド)」の
NHK取材班による取材日記です。
書評などはアマゾンなどでご覧頂くとして、私は原発事故に真っ正面から挑んだ科学者
(木村真三氏、岡野眞治氏他)やNHKの取材班(七沢潔氏、増田秀樹氏他)に深い感銘を受けました。
特に印象深かったのは「あとがき」に代えてにて七沢氏が慣性の法則に従うように「原子力村」に配慮した報道スタイルにこだわる局幹部、取材規制を遵守すする余り、違反者に対して容赦ないバッシングをした他部局のディレクターや記者達に対して疑問を投げかける場面でした。
是非一度、NHKオンデマンドからネットワークでつくる放射能汚染地図を
ご覧頂いてから読んで頂きたい一冊です。
Youtubeには七沢潔氏の講演がアップロードされてましたので、そちらをご紹介
2冊目はプロメテウスの罠: 明かされなかった福島原発事故の真実 朝日新聞特別報道部 (著)
こちらは2011年10月から朝日新聞で連載されている「プロメテウスの罠」の書籍化された作品です。
巻頭の序文では・・・
ギリシャ神話によれば、人類に火を与えたのはプロメテウスだった。
火を得た事で、人類は文明を発達させることができた。化石燃料の火は生産力を伸ばし、
やがて人類は原子の火を獲得する。それは「夢のエネルギー」とも形容された。
しかし、落とし穴があった。プロメテウスによって文明を得た人類が、いま原子の火に悩んでいる。
朝日新聞の記者が総力を結集したルポルタージュの書籍化です。
全6章で構成され、私が特に印象的だったのは6章の「官邸の5日間」でした。
なぜ、SPEEDIは活用されなかったのか。なぜ、官邸は機能不全に陥ったのか検証結果が秀逸でした。
あの日、あの事故をもう一度冷静に見つめ直して、近々発生するだろうと言われる
東海・東南海・南海地震に備える事が現世代に課せられた責任だと思う今日この頃です。
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